ユースケース

タイムゾーンに合わせてニュースレターの配信時刻を個別化する

本社時間の午前7時に送信したニュースレターは、ある購読者の受信トレイには早朝の妥当な時間に届きますが、別の購読者には深夜0時をかなり過ぎてから届き、起きてメールを確認する頃にはほかのメールに埋もれてしまいます。海外の購読者を多く抱え、毎日ニュースレターを配信していたある出版社は、まさにこの問題を抱えていましたが、それが開封率にどれほど影響しているかに気づいていませんでした。この差はデータ上、はっきりと説明できる単一の原因ではなく、漠然とした地域的な傾向として現れていたからです。

この出版社は、ほとんどの購読者についておおよその位置データをすでに持っていました。登録時に所在地の入力欄から取得するか、登録時のIPアドレスから/v1/ipで推定し、国と都市に変換したものです。欠けていたのは、その位置情報を実際の配信時刻の判断に結びつける方法でした。購読者がある国にいるとわかっていても、配信スケジュールの基準にすべき正しいタイムゾーンがわかるわけではなく、複数のタイムゾーンにまたがる大きな国では特にそうです。

出版社の配信システムは、購読者ごとに特定した位置について/v1/timezoneでIANAタイムゾーン名を取得し、配信のたびに調べ直すのではなく購読者のレコードに保存しました。各購読者に実際のタイムゾーンが紐づいたことで、配信プラットフォームは配信時刻をずらし、購読者全体が何個のタイムゾーンにまたがっていても、全員にほぼ同じ現地時刻にニュースレターが届くようにできました。1つの予約時刻からすべてを一斉に送信する必要はなくなりました。

以前は不便な現地時刻にニュースレターを受け取っていた地域で、開封率が目に見えて改善しました。これは、当初の単一配信時刻の方式が、本社時間から最も離れた市場、つまり直接測定しなければ問題として気づかれにくかったであろう市場で、ひそかにエンゲージメントを損なっていたことを示す最も明確な証拠でした。

出版社が固定のオフセットではなく保存したIANA名を使ったのは、手動で更新しなくても夏時間の切り替えを通じて配信時刻の計算が正しく保たれるようにするためでした。見落としやすい点ですが、もし生のオフセットを保存していたら、丁寧に調整した配信時刻が、影響を受けるすべての地域で年に2回ずれていたはずです。

これは配信ごとのコストではなく、購読者1人につき1回だけの検索でした。購読者のタイムゾーンが変わることはめったになく、ニュースレターを発行するたびに調べ直す理由はないからです。そのため、出版社の購読者数に対してリクエストの総量は少なく抑えられ、新規登録者が少しずつ増えて初回の検索が必要になることを考慮しても、1日あたりの無料割り当ての範囲に十分収まりました。

配信時刻は、メールマーケティングで見落とされがちな要素の1つです。平均開封率という1つの数字が、地域によって成果が大きく異なることを覆い隠してしまうからです。そして根本原因が見えてしまえば、解決策は単純な技術的変更で済みます。チームがそうでなければ時間をかけて追いかけていたかもしれない、コンテンツや件名の問題ではありません。

両エンドポイントのドキュメントは/docs/ipv4-lookup/と/docs/timezone-lookup/にあります。